1級小型自動車整備士への道

平成15年11月第2回検定試験問題解説へ

平成16年1月第2回検定学科(口述)試験問題解説へ

平成15年度第2回登録試験問題解説へ
(参考:自動車工学6月号)

全問回答解説付き!しかし、保証は無しです

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国家資格1級小型自動車整備士の検定試験を去る平成15年11月30日(日)に受けました。その発表が12月12日にあり、本日めでたく合格通知が来ました。新聞紙上で騒いでいたあの試験です。どうも富山県でもトヨタ系から受験した人は辞退したらしく、私の知るところでは合格は県内6名だったそうです。ここでは1級小型自動車整備士の資格を取るまでの流れと試験問題をちょろっと語ってみようかと思います。

★自動車整備士の資格
@3級→ガソリンエンジン、ジーゼルエンジン、シャシの3種類があります。受験資格は、自動車整備に関して1年以上実務経験を積んだ人なら誰でもうける資格があります。また自動車整備専門学校等を卒業した人は在校中に取れてしまいまして、いきなり2級を受ける資格を持ちます。普通は自動車整備振興会が開催する講習を受講して実技免除資格を得てから申請します。実技試験を受ける自信がある方は直接新潟に行って受けることができます(検定試験の合格が前提)。

A2級→ガソリン自動車、ジーゼル自動車があります。2級シャシはあるのかな?シャシは受講したことがないのでわかりません。受験資格は3級取得後3年の実務経験が必要です。2級があると検査主任者(点検簿に氏名を記載できる。3級の人は整備はできるが検査はできない)になれます。

B検査員→これは取っても取らなくてもよい資格ですが、指定整備事業(民間車検)をするときには必要になります。受験資格は2級を取ってから実務経験3年です。この試験は法律ばっかで、記憶するのが大変でした。

C1級→小型と大型、後は2輪もあります(3級、2級にも2輪があったような・・・無かったような・・・)。平成14年から始まった資格。いままでも1級はあったらしいが、名誉職として存在していた模様。本年度の試験が第2回となります。

★検定試験と認定試験(今は登録試験と言うそうです)
自動車整備士の試験には検定試験と認定試験があり、どう違うかというと、検定試験は講習を受けずに(受けても良いのですが)自分で勉強して受験するものです。が、検定のみの合格者は実技試験も受けなければなりません。一方、認定試験を受けることができるのはたぶん振興会等が開催する講習を終了(修了試験があります)した人だけだと思います。今回私はこの講習に参加しているのですが、試しに検定試験を受けました。認定試験は16年の3月にあります。今回検定試験で受かったので認定試験は受ける必要がありません。また、来年1月11日の口述試験に合格すると、後は実技試験だけですが、これは講習を無事終了すれば免除になります。少しややこしいでが、まあ、2回ずつチャンスがあるということで・・・。

★平成15年度第2回自動車整備士技能検定学科(筆記)試験
  〔一級小型自動車整備士〕
試験はすべて4択。問題は50問。制限時間は1時間40分。40問の正解で合格。また、50問は5つのカテゴリーに分かれていて、それぞれのカテゴリーごとに40%の正解がないと全部で40問正解していても不合格となります。カテゴリーははっきりと分かれているのか私にはわかりませんでした。作った人はわかっているでしょうが・・・見た人はどのカテゴリーか悩むでしょう。というのも、10問1カテゴリーではなく、エンジン関係16問、シャシ関係15問、新機構関係9問、安全環境5問、法規関係5問といった分類になっているので、どの問題がどこにはまるのかはちょっと・・・。で、自己採点した結果、間違いなく間違っていたのが7問、教科書、インターネット等調べ尽くしたのに答えが確定しなかった問題が3問。すべて間違っていても40問はクリアーだったのですが、問題はカテゴリーの責任点でした。安全環境問題で自信があったのが1問のみで、あと1問合っていないと不合格と言うところでした。合格したと言うことは、あと1問が合っていたと言うことです。ほっと一息でした
 試験の注意点といえば、時間です。10問終わったところで15分が経過していました。このまま行くと、時間切れになりそうで(見直しの時間がなさそうで)焦りました。でも一字一句間違いなく理解していかないと引っかかります。焦らずゆっくり読んで素早く判断が一番ですね。

 

 

問題(いまだにどこにも模範解答が出てませんので、本当に正解かわかりませんが、ご了承下さい)←16年1月現在回答が雑誌に載ってましたので、確認しました。雑誌の回答と比較して、番号を訂正してあります。

1.表にある性能を有するサーキットテスターを用いて直流電圧を測定したところ、表示部に「7.000v」と表示された場合の測定真値として、適切なものはつぎの内どれか。ただし、電圧レンジは最も適切なレンジを使用したものとする。

(1)6.787V〜7.213V
(2)6.760V〜7.240V
(3)6.979V〜7.021V
(4)6.976V〜7.024V

答(4)
この問題のポイントは表のどの部分を考えるかだと思います。この場合、レンジは7Vということなので9.999Vレンジ、分解能と確度が必要になります。入力インピーダンスやNMRなんかは関係ありません。
分解能が1mVなので、0.001Vまで。確度が0.3%+3dなので、7.000×0.003=0.021。+3dなので、0.003になります。
7.000±(0.021+0.003)=6.976〜7.024
となります。

 

2.パラレル・シリーズ・ハイブリット・システムのハイブリッド車に関する記述として適切なものは次のうちどれか。

(1)高電圧系統の点検・整備作業を急いで行う必要があったため、絶縁手袋を着用してサービス・プラグを取り外し、直ちに作業を行った。(5分程度コンデンサーの電圧を放電させなければならない)
(2)停車中にアイドリングの必要がないときにはエンジンを自動停止する機能があるため、点火時期の点検などでエンジンを連続運転する必要がある場合には、システムを整備モードに切り替えて行う。(正解)
(3)Nレンジのときには、インバーターのパワー・トランジスタをすべてOFFにしてモーターを停止させているが、エンジンが回転していればジェネレーターによる発電は行われる(トランジスタをすべてOFFするとエンジンが回転していても発電しない)
(4)ハイブリット車は、DC200〜500V程度の高電圧システムを有しているが、前照灯や補機類および各ECUの定格電圧はDC12Vであるため、インバータで高電圧からDC12Vに変換して、補機バッテリの充電を行っている。(コンバーターで変換している)

答(2)

 

3.表にある性能を有するサーキット・テスターを用いて図の@、A間の電圧を測定したとき、サーキット・テスターに表示される電圧値として、適切なものは次のうちどれか。ただし、電圧レンジは最も適切なレンジを使用したものとする。

(1)3.999V
(2)4.878V
(3)4.923V
(4)4.987V

答(2)
これもどの部分を考えるかです。この場合は内部抵抗が重要になります。確度は関係ありません。
レンジは10Vを計るので99.99V。ということは入力インピーダンスは10MΩになりますので、
1/500+1/10000で合成抵抗を計算し、回路内の総抵抗を計算すると976.1904761kΩになります。V=IRですので、回路に流れる電流は0.010243902Aとなり、これにより、@とAの間の電圧は(976.190476kΩ−500kΩ)×0.010243902A=4.87804857Vとなり、(2)の4.878Vが一番近いので(2)としました。一番近いというか、ここで確度とか考えて端数を切り捨てたのかも・・・。

 

4.ジーゼル・エンジンの排出ガス対策に関する次の文章の(  )にあてはまる語句として、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

 ジーゼル・エンジンでは、一種の(イ)が行われており、局部的空気不足が生じやすく、(ロ)生成の問題を生じる。(ロ)は完全燃焼させることで低減できるが、その場合逆に(ハ)が多く生成される。(ロ)と(ハ)を同時に低減することは困難であるが、噴射圧力を高圧化することで燃料が微粒化され、燃焼状態が改善されるため(ロ)の発生が低減される。

    イ     ロ   ハ
(1)均質燃焼  PM  NOx
(2)層状燃焼  NOx  PM
(3)層状燃焼  PM  NOx
(4)均質燃焼  NOx  PM

答(3)
解説の必要はありません。教科書通りです。

 

5.スロットル・ポジション・センサーの信号電圧の点検について説明した記述として、適切なものは次のうちどれか。なお、図1に示すV1からV6は表のとおりである。

(1)スロットル全閉時と全開時の測定において、電圧V2と電圧V5が図2に示す角度電圧特性図に一致すること。電圧V2と電圧V5が異なった場合は、センサに異常がある。(異なった場合は信号線かアース線に異常がある)
(2)スロットル全閉時と全開時の測定において、電圧V3及び電圧V4が図2に示す角度電圧特性図に一致すること。電圧V3及びと電圧V4のうち、電圧V4のみ一致した場合は、アース線に異常がある。(V4のみならば信号線に異常)
(3)スロットル全閉時と全開時の測定において、電圧V1及び電圧V6に電圧がないこと。V6のみ電圧があれば、アース線に異常が発生しており、V1及びV6の両方に電圧があれば、エンジンECUに異常の可能性がある。(正解。でも「可能性がある」だから正解。ECUとボデーアースに不良があれば内部ではなく配線異常の場合あり。図の赤いところ←と、思いましたが、ECU外部アースに不良があれば5V電源回路自体作動せず、V3にすら電圧がない状態になりますね。であるからして、ECU外部アース不良はあり得ません・・・ECU内部のアース不良ですね。)
(4)エンジンECU側のセンサ信号端子を外し、スロットル全閉時と全開時の測定において、電圧V5が図2に示す角度電圧特性図に一致すること。一致しない場合は、エンジンECUに異常がある。(一致しないときはセンサ本体でしょ)

答(3)

 

6.ガソリン・エンジンの補正モードに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1)加速リッチ補正とは、アクセル・ペダルを急激に踏み込んだときに、エンジンECUがエンジン回転速度の変化量に応じた増量分の燃料を追加噴射するよう制御し、加速性能の向上を図るものである。(スロットルの変化量)
(2)加速リッチ補正とは、アクセル・ペタルを急激に踏み込んだときに、エンジンECUがスロットル・バルブ開度の変化に応じた増量分の燃料を追加噴射するよう制御し、加速性能の向上を図るものである。(正解)
(3)減速リーン補正とは、減速時に、エンジンECUがエンジン回転速度の変化量を検知して、基本噴射パルス幅を減少させるよう制御し、CO、HCの低減を図るものである。(スロットル・バルブ開度の減少量と吸気圧のの変化量を検知)
(4)減速リーン補正とは、減速時に、エンジンECUが排気圧力の変化量を検知して、基本噴射パルス幅を減少させるよう制御し、CO、HCの低減を図るものである。((3)と同じ)

答(2)

 

7.筒内噴射式ガソリン・エンジン用のトラップ型リーンNOx触媒の特徴に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1)リーン燃焼時には、NOx吸蔵物質にNOxを蓄えておき、ときどき理論空燃比運転を行い、排出ガス中のCO、HCなどを利用してNOxを酸化する。(ときどきというのもどうかと・・・。この場合は酸化ではなく還元だから、(1)は間違っているはず)
(2)ガソリン中に硫黄分が含まれていても浄化性能への影響はない(影響ありあり。急速に劣化する) 
(3)硫黄分が多く含まれているガソリンを使用すると劣化する。また、NOx還元時は空燃比を大きく(混合気を薄く)する必要がある。(濃くしなければならないはず。しかし空燃比を濃くすると教科書にはある。空燃比を濃くすると言うことは混合気を濃くすることになるのでは?教科書の前後の解説からすると排出ガス中のCO、HCを利用して還元すると言うことだから、濃くなければCO、HCが少なくなる。だから、(3)は間違っていると思う)
(4)通常のガソリン・エンジンに用いられる三元触媒に比べ、NOxの浄化率は低い。(そのような記述はどこにも載っていないが、1〜3が間違いだと思うのでこれが正解となるはず。12月17日の講習でちょうどここの部分に触れてまして、講師が最後にちょろっと三元触媒の方が性能は良い、と仰有いましたので、これで良いと思います。)

答(4)?

 

8.エンジンの電子制御装置の電源回路の点検に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)クランキング時におけるバッテリ電圧は、エンジンECU、センサ及びアクチュエータを作動させるため7V以上あり、また、スタータ・モーターの回転速度も適正であること。(9V以上)
(2)アース電圧を測定する場合は、センサ及びアクチュエータを作動させて測定を行う必要がある。
(3)安定化電源電圧が不安定になる原因は、バッテリ電源からの電力供給量の不足、エンジンECU内の電源回路の異常及び安定化電源回路の短絡などによって発生する。
(4)安定化電源端子部の電圧がイグニッション・スイッチをONにしたとき5−0.25V未満のとき、センサ及びアクチュエータ回路の端子をすべて外しても許容範囲5±0.25Vに入らなければ、エンジンECU内の電源回路の不良である。

答(1)

 

9.平均値整流実効値校正方式のデジタル式サーキット・テスターを用いて、交流電圧を測定した場合の記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)交流電圧平均値を測定し、それに一定の値を掛け合わせることによって、実効値を算出する。
(2)測定信号の平均値を求め、正弦波(サイン・ウェーブ)のクレストファクター=√2を乗じて実効値換算を行っているため、正弦波以外を測定した場合は大きな誤差が生じる。(乗じているのは波形率1.11)
(3)規定の周波数以内の方形波(スクエア・ウェーブ)を測定した場合、真の実効値方式による測定より約1.11倍電圧を高く表示する。(教科書にはこういう記述はないが、(2)が間違っているので(3)はあっている・・・と思う)
(4)規定の周波数以内の正弦波を測定した場合、真の実効値方式による測定値とほぼ同じ電圧値を表示する。

答(2)

 

10.図のアクチュエータの駆動回路の点検方法に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)アクチュエータが停止しているとき、エンジンECUの駆動端子とボデー間の電圧V1に電源電圧があり、駆動しているとき、1V以下になっていること。
(2)アクチュエータの両端の電圧V2を測定したとき、アクチュエータが停止しているときには電圧はなく、駆動しているときは駆動電圧特性図の電圧と一致すること。
(3)アクチュエータの電源端子とボデー間の電圧V3を測定したとき、電源電圧があること。
(4)アクチュエータのエンジンECU側端子とボデー間の電圧V4を測定したとき、アクチュエータ駆動時は駆動電圧特性図の電圧と一致すること。(停止時は15V付近、駆動時に0V付近になる。駆動時はアクチュエータ内部で電圧を消費するので、V4は0Vとなる。この特性図はV2の測定時のみ正解となる)

答(4)

 

11.アクチュエータの異常検知に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)図1では、駆動回路が出力している駆動信号が正常であっても、アクチュエータの作動遅れが生じる場合は、異常検知を行えない。
(2)図2ではアクチュエータの駆動停止中に駆動回路からアクチュエータに加えられる診断電圧によって異常検知を行う。
(3)図3では、出力回路と入力回路の信号及び駆動回路からアクチュエータ間の異常検知を行う(駆動回路からアクチュエーターまでの間は異常検知できない。教科書に明記してあったのでたぶんこれが間違っている)
(4)図4では、アクチュエータの駆動回路の断線状態の検知とフィードバック・センサを使っての駆動時の異常検知を行う。

答(3)?たぶん合っている。(4が怪しいと思うが、3のほうが間違っていると思う)

 

12.各ECU間の情報の伝達として「信号形態」や「符号形態」の通信信号を使用しているが、このうち「符号形態」の通信信号に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)ビット(電圧のあり、なし)を数組組み合せ、各々のビットに情報をもたせて1つの通信情報としている。
(2)直列通信方式では、1本の通信線に通信情報(情報区分、情報内容、通信終了)を順次送信している。
(3)マイコンは、信号電圧(波形)の組み合せをデジタル信号で行っているため、波形の変化する状態を確認できれば、通信内容は解読できる(解読できません。できるのは信号形態)
(4)ダイアグノーシス・コードは、符号形態の通信信号の一つで、装置ごとに、設定された点滅回数と点灯、消灯の時間の比で故障箇所を推定できるようにしてある。

答(3)

 

13.圧縮天然ガス(CNG)自動車に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)自動車に用いる天然ガスは、メタンを主成分としたガスであり、空気より軽い。また、他の燃料より燃焼下限界と自然発火の温度が高く、一酸化炭素や鉛などの毒性物質を含んでいない。
(2)自動車用燃料のCNGは、オクタン価が高く、アンチノック性に優れており圧縮比を高くすることが可能となるが、液体燃料に比べ車両搭載効率が低く、燃焼時に水蒸気の発生が多く、排気系の防錆対策を強化する必要がある。
(3)CNG自動車の燃料系統は、CNG燃料を充てんしたボンベ、燃料遮断弁、CNGレギュレータ(減圧弁)及びインジェクター(ミキサ)などから構成されており、また、エンジン本体の基本構成は一般的なガソリン・エンジンと同じである。
(4)燃料系統の配管(パイプ)及び継ぎ手を外すときは、パイプ内のガス圧力が高圧のため、ガス容器元弁を全閉にし、速やかに行うこと(全閉にした後、エンジンが止まるまで運転し、配管内のガスを燃焼させる)

答(4)

 

14.センサの異常検知に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)センサ信号は、安定化電源の電圧を基準電圧として作られているため、基準電圧に異常が発生するとセンサの回路で検出する情報が正しく伝わらない。
(2)異常検知できない領域の電気信号がセンサからマイコンに入力された場合は、正常信号が入力されたものとして制御を行う。
(3)センサ信号のみで異常検知を行う回路では、センサ機能及び入力回路に信号電圧を伝える信号線に異常が発生した場合、信号電圧がプログラム内の上限値と下限値の範囲にあると、マイコンが入力回路から検出する信号電圧をセンサが検出した情報と一致していないと判断し制御を行う。(範囲にあるのだから、マイコンは異常検知できない)
(4)他のセンサ信号と比較して異常検知を行う回路では、該当するセンサ信号をマイコンが持っているプログラムによって比較、判断させるとともに、他のセンサ情報と比較することで異常検知を行っている。

答(3)

 

15.直列4気筒ジーゼル・エンジン用のコモン・レール式高圧燃料噴射システムの記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)サプライ・ポンプは、インナ・カムの内側に二つのプランジャ・システムが直列に水平方向と垂直方向に配置されており、一方が吸入行程のとき、もう一方は圧送行程になる構造になっているため、安定した燃料供給が行える。
(2)コモン・レールに装着しているプレッシャ・リミッタは、レール部の燃料圧力により、目標噴射圧が一定になるようなレギュレータ機能を有している(有していない。プレッシャ・リミッタは異常高圧の場合、圧力を逃がす機能のみ。一定にしているのはサクション・コントロール・バルブを制御して・・・って、(4)にそのまま書いてあった・・・)
(3)エンジンECUは、各種センサからの信号を基に燃料噴射時期及び噴射量をON・OFF信号に置き換え、高電圧、高電流でインジェクタの電磁弁を駆動させている。
(4)コモン・レールの圧力制御は、アクセル開度とエンジン回転速度をもとに目標噴射圧を算出し、レール圧センサの検出値が目標値になるように、サクション・コントロール・バルブに信号を送り、サプライ・ポンプからコモン・レールへの燃料圧送量を制御することにより行っている。

答(2)

 

16.前輪駆動車(FF式)に採用されている車両安定制御装置のVSCS(VSCSとは、ビークル・スタビリティ・コントロール・システムのことをいう。以下同じ。)の作動に関する次の文章の(  )にあてはまる語句として、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

 前進の左旋回時において、オーバーステア状態と判定されたときの制御としては、主に(イ)にブレーキを作動させてオーバーステア制御モーメントを発生させることにより、オーバーステアを制御している。また、アンダステア状態と判定されたときの制御としては、一般的に(ロ)にブレーキを作動させてアンダステア制御モーメントを発生させるとともに、前車輪にもブレーキを作動させ車速を下げ、横力を減少させることにより、アンダステアを制御している。

    イ     ロ
(1)右後輪  右後輪
(2)左後輪  右後輪
(3)右前輪  左後輪
(4)左前輪  左後輪

答(3)
教科書には右旋回時の制御が書いてありましたが、その逆ですので・・・。オーバーステア状態ということは、曲がりすぎだから右前輪にブレーキを作動させればおさまり、アンダステア状態ということは曲がらないのだから、左後輪にブレーキを作動させるとおさまる。

 

17.電子制御式4速AT(ATとは、オートマチック・トランスミッションのことをいう。以下同じ。)に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1)車速センサは、コイルに交流電圧を発生し、回転速度を検出している。
下の(A)は回転速度が速い状態であり、(B)は回転速度が遅い状態である。(図からすると逆です)

(2)油温センサは、ATF(ATFとは、オートマチック・トランスミッション・フルードのことをいう。以下同じ。)の温度を検出し、ライン・プレッシャを下記のように制御している。

油温 ライン・プレッシャの制御内容
60℃以下 アクセル開度にかかわらず一定に制御(通常より圧を下げている。アクセル開度には反応している)
−10℃以下 最高圧に制御

(3)変速パターン選択スイッチによって、変速点やロックアップ作動点を変えることができ、そのパターンは下記のように制御している。

変速パターン 制御内容 目的・用途
オート・モード 変速点を最高速側に設定(低速側に設定している) 経済的な運転を目指す
パワー・モード 変速点を低速側に設定 山間地などでエンジンの力が必要なとき使用される
スノー・モード ギヤを固定、または変速をしにくく設定 雪路などの滑りやすい路面でも良好な操縦性を確保する

(4)インヒビタ・スイッチ(シフト・ポジション・センサ、ニュートラル・スタートスイッチ等ともいう。以下同じ。)は、AT・ECUにATの油圧回路がどのレンジかを知らせており、その信号に異常があった場合、下記のように制御している。

異 常 内 容 制  御  内  容
信号が入力されない場合 直前の信号を入力信号とみなして制御する
複数の信号が入力した場合 入力した複数信号に優先順位をつけ、D>2>1の順に優先し制御する。また、4速(オーバードライブ)への変速を禁止する

 

答(4)

 

18.エンジン・マウンティング・ブラケットの振動を吸収する場合に用いられる「マス・ダンパ」及び「ダイナミック・ダンパ」の模式図及び固有振動数を示すものとして、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。

  マス・ダンパ    ダイナミック・ダンパ
(1)ロ及びハ     イ及びニ
(2)ロ及びニ     イ及びハ
(3)イ及びハ     ロ及びニ
(4)イ及びニ     ロ及びハ

答(3)

 

19.きわめて厚い固定されたコンクリートの壁に正面衝突した場合に、最低車速約20Km/hで作動するSRSエア・バックを装着した自動車(以下「A車」という。)が、同型車(以下「B車」という。)と衝突した場合における記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1)A車とB車が互いに同じ速度で正面衝突した場合にSRSエア・バックが作動する最低車速は約10Km/hである。
(2)A車とB車が互いに同じ速度で正面衝突した場合にSRSエア・バックが作動する最低車速は約40Km/hである。
(3)A車が、止まっているB車に正面衝突した場合にSRSエア・バックが作動する最低車速は約20Km/hである。
(4)A車が、止まっているB車に正面衝突した場合にSRSエア・バックが作動する最低車速は約40Km/hである。

答(4)
同じ車同士が正面衝突した場合にエンジンルームの食い込みが発生し、それがクッションになると思って40Km/h出さないと展開しないのかと・・・。

 

20.プロペラ・シャフトのジョイントに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)ダブル・カルダン型等速ジョイントは、入力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動と、出力軸とカップリング・ヨークの角度によって生じる回転変動が相殺されることにより、ジョイント角による回転変動を防止させ、回転の等速性が得られるものである。
(2)トリポード型等速ジョイントは、ヨーク間に硬質ゴム製のカップリングを挟み、交互にボルトで締め付けたもので、特徴として弾性係数が低いことと、内部摩擦による減衰作用を持っていることである。
(3)横置きエンジンの4WD車では、路面の凹凸や負荷条件によるジョイント角の変化と同時に、エンジンのロール振動が、直接ジョイント角に影響し、こもり音を発生させやすい。このため、クロス・グループ型等速ジョイントを用いることにより、このジョイント角に変化に対応したものもある。
(4)シェル型ベアリング・カップ・ジョイントは、ジョイント部において、カップとスパイダのスパイダ軸方向のガタによるプロペラ・シャフトのアンバランスの発生をなくすため、一般にスナップ・リングを選択して取り付けることにより、バランス性能を向上させたものである。

答(2)
この問題もかなり悩みました。まさかジョイントの種類が出るなんて思ってもいなかったので、覚えていませんでした。でもラッキーなことに、たまたまトリポード型ジョイントは主にドライブシャフトに使用されていることと、硬質ゴムを入れているのはほかのだったろう、と言うことを覚えていて、これが間違いだと思いったのでした。ちなみに(2)の説明のシャフトはフレキシブル・ジョイントの事です。

 

21.電子制御式ATに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)5V電源回路で作られた基準電圧は、AT・ECUの主電源、センサ回路及びアクチュエータ駆動電圧として使用されている。(主電源は12V)
(2)センサ信号を形態別に分けると、周波数信号、リニア信号、理論信号の3種類がある。
(3)ライン・プレッシャ・ソレノイドは初期駆動時に大電流を必要とするが、いったん駆動すると小さな電流で制御できる。
(4)フェイルセーフ機能では、シフト・ソレノイド・バルブが電気的な異常を起こした場合は、AT・ECUからの信号により一定のレンジに固定し、走行を可能にしている。

答(1)

 

22.EPS(EPSとは、電動式パワー・ステアリングのことをいう。以下同じ。)の制御に関する記述として、不適切なものは、次のうちどれか。

(1)電流フィードバック制御は、モータに流れる電流を検出し、操舵条件で算出される目標電流にできるだけ近づけるように制御するものである。
(2)もどり制御は、ステアリング操作の減速時に、逆起電力により発生する電流増加を制御するものである。
(3)アンローダ制御は、ステアリングを一杯に切った状態にしたときのモータ電流を減少させ、システムを保護するものである。
(4)ベース制御は、操舵トルクとエンジン回転速度により算出されたベース電流を制御するものである。(車速)

答(4)

 

23.ABS(ABSとは、アンチロック・ブレーキ・システムのことをいう。以下同じ。)の構成部品の機能に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)フェイルセーフ・リレーは、故障検出時、ポンプ・モータ・リレーやモジュレータ・ユニットの電源を遮断するためのものである。
(2)モジュレータ・ユニットは、ABS・ECUからの信号を受け、各車輪に伝えるブレーキ液圧を制御している。
(3)ABS・ECUは、各車輪速センサからの信号を検知し、ABS制御信号をモジュレータ・ユニットに出力している。また、前輪のブレーキ液圧制御は、ロックしそうな左右いずれかの車輪速度を基準にして、左右同時に制御している。(最近のABSは左右同時に制御していない。一昔のは後輪は同時だったらしい。)
(4)車輪速センサは、発電機形態のセンサが多く、車輪の回転部分に取り付けられた突起を持ったロータ部(ギヤ・パルサ)と、永久磁石に銅線を巻いたピックアップ・コイルで構成されている。

答(3)
いつの時代のABSかとはうたってませんが、たぶんこれで良いと思います。

 

24.振動・騒音に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)音の大きさを表わす音圧レベル(音の強さ)は、一般的に人間が感じることができる最も小さい音圧との対数比であり、単位はdBで表わす。
(2)50dBの音源が10個あると、音圧レベルはおよそ60dBになる。
(3)人の可聴範囲は20Hz〜20kHzの振動周波数といわれている。
(4)不具合車両の近接騒音を測定する場合は、人の聴覚に近いC特性を用いて測定する。(A特性)

答(4)

 

25.オート・エアコンに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)内気温センサは、室内の空気を循環させる構造になっており、検出素子(サーミスタ)により、室温の検出を行ってる。
(2)内気温センサに使用しているサーミスタは、室内温度の変化を抵抗値の変化に置き換えることにより室内温度の検出をしている。温度に対する抵抗値の変化(温度抵抗特性)は、温度が低いときは抵抗値が小さく、温度が高くなるにつれて抵抗値が大きくなるのが一般的である。(逆です)
(3)外気温センサは、急激な外気温の変化に緩慢に反応させるため、サーミスタが樹脂等で固められており、車両の前部に取り付けられている。
(4)日射センサは、日射量を検出して冷暖房の補正を行うためのもので、日射量の変化を電圧値に置き換えることでECUに検知させている。

答(2)

 

26.車両安定制御装置に関する説明として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)濡れたアスファルト路面や氷雪路などの滑りやすい路面で急ブレーキを掛けたとき、前輪がロックすれば操舵ができなくなり、また、後輪がロックすればスピンを起こし危険な状態になる。ABSはこのような状況でも車輪がロックし難くなるように制御する。
(2)トラクション・コントロールは、駆動輪のブレーキ制御及びフューエル・カットなどによるエンジン出力制御によって、駆動輪のスリップを抑えるものである。
(3)ABS及びトラクション・コントロールは、主に制動時及び加速時の安定性を確保するものであり、VSCSは、ABS及びトラクション・コントロール機能に加え、車両旋回時の安定性制御も行う総合システムである。
(4)VSCSは、車速センサ、ヨー・レート・センサ、Gセンサと舵角センサ等を備え車両の旋回状態を把握しているため、指定以外のタイヤサイズの装着など4輪のタイヤ径が異なるような条件下でも、正常に作動する(タイヤサイズが異なった場合、車速センサからの信号が正確ではなくなるので、正常な作動はしません)

答(4)

 

27.ABS及びスリップ率に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)次のような不具合においては、故障コードを表示する。
   a.パルサの歯欠け b.異径タイヤ装着 c.ブレーキパイプ内へのエア混入(bも怪しいが、もしかして異径タイヤの装着はセンサ信号の比較により分かるのかも・・・。エアの混入はいくら優秀なECUでも分からないだろうな〜)
(2)ABS警告灯は、システムが正常でも次のような状況下では点灯することがある。
   a.駆動輪のみの回転 b.駆動輪の片輪スタック c.車両スピン
(3)ブレーキの液圧は、路面とタイヤ間の摩擦係数とコーナリング・フォースとの関係から最適な目標スリップ率になるように制御されている。
(4)スリップ率が100%とはタイヤが完全にロックしている状態である。また、スリップ率が大きくなるほどタイヤのコーナリング・フォースは小さくなる。

答(1)
この問題についても(1)が正解かどうか教科書には明記してありません。たぶんですので・・・。

 

28.ABSのポンプ・モータに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)ポンプ・モータは、ABS制御中にリザーバ・タンクに蓄えられたブレーキ液を、マスタ・シリンダに戻す機能を持っている直流モータである。
(2)ポンプ・モータ駆動電圧は、ポンプ・モータ・リレーをONにし、ポンプ・モータが定格回転に達すると、バッテリ電圧約12Vに近づく。また、同リレーをOFFにすると、モータ回転が低下するのに伴って電圧も下がる。
(3)ポンプ・モータ・リレーは、ABS制御によるブレーキ液圧の増圧開始時に、ECUからの信号によりリレー・スイッチがONにされ、ポンプ・モータを駆動している。また、ABS制御停止時には、ECUからの信号によりリレー・スイッチをOFFにすることで、ポンプ・モータを停止させる制御をしている。(減圧)
(4)ポンプ・モータ・リレー信号電圧は、ポンプ・モータを駆動していないとき(ABS制御停止時)には約12Vとなり、駆動しているとき(ABS制御時)は約0Vになる。

答(3)
私はどう考えても間違いが分かりませんでしたので、一番怪しげな(2)を選んでしまいました。後でよく考えてみたらポンプが動いて液を戻すのは減圧中ですよね。そのほかでモータを使用するのはブレーキアシストのときだけなので、ABS中に動くのは減圧中。増圧という部分だけが間違っているなんて・・・。

 

29.電子制御式4速ATに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)Rレンジでは、減速比が大きいため、動力伝達容量を高める必要があることから、Dレンジよりライン・プレッシャを高くしている。
(2)AT・ECUは、変速時のショックを低減させるため、エンジン駆動力に見合うよう通常時よりライン・プレッシャを高くしている。(低く)
(3)車速は、AT内部のアウトプット・シャフトに取り付けられているギヤの回転速度などから検出している。
(4)AT・ECUによるライン・プレッシャの制御は、スロットル・ポジション・センサ、車速センサ、インヒビタ・スイッチ、油温センサの信号によって行っている。

答(2)

 

30.スチール・ベルト式無段変速機(CVT)の構造と作動に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)スチール・ベルトは、数百個のスチール・ブロックと、帯状に連結する2組のスチール・バンドで構成されている。
(2)動力の伝達は、個々のスチール・ブロックが次々と前側のブロックを押して動力を伝える圧縮型のベルトで行っている。
(3)スチール・ブロックは、1箇所のエンボスと柔軟性のあるスチール・ベルトのみに支えられているため、プーリの斜面に確実に接触して動力を伝達している。
(4)スチール・バンドは、絶えず径方向に折り曲げられて内径側には引張応力、外径側には圧縮応力が発生する。この応力は板厚が薄いほど小さくなるので、多数の薄いバンドを緊密に重ねた構造になっている。(逆です)

答(4)

 

31.新車新規登録後1年経過した車両で、「最近、クランキング時間が長く、エンジンがスムーズに始動しなくなった。」という自動車について点検したところ、表の結果が得られた。この結果から、推定できるこの自動車の不具合原因として、適切なものは次のうちどれか。
なお、ダイアグノーシス・コードは異常コードを示しておらず、通常走行時の運転性に問題はない。

点 検 箇 所 点 検 結 果
水温センサ信号電圧 正常
点火時期 正規値
エンジンの圧縮圧力 全気筒規定値内
スタータ・モータ クランキング・スピード:正常
ECUの電源電圧 クランキング時の電圧:正常


(1)O2センサの故障
(2)フューエル・ポンプのチェック・バルブの密閉性不良
(3)吸気温センサの故障
(4)エンジンECUの故障

答(2)
この問題も正解が教科書からは分かりません。ただ、(1)(3)(4)が原因だと、ダイアグノーシス・コードは異常を示すはずです。この場合の故障が特性ずれを指すのなら、(1)(3)(4)もあるかもしれませんが、(2)のバルブが密閉性不良を起こすと、エンジン停止時、フューエルラインの燃圧が抜けていくので、エンジン始動時に燃圧不足を起こし、始動不良を起こしていると思われますので、(2)が正解と思います。

 

32.「時々アイドリングが不安定になる」という自動車について点検したところ、表の結果が得られた。この結果から、推定できるこの自動車の不具合原因として、適切なものは次のうちどれか。なお、ダイアグノーシス・コードは異常コードを示していない。

(1)クランク角センサの信号線断線
(2)ISCVの空気通路の汚れ
(3)ノック・センサの故障
(4)水温センサの故障

答(2)
この問題も教科書に明確な答は出ていません。が、先ほどと同じで、ダイアグノーシス・コードが正常ならば、(1)(3)(4)はないでしょ。と、簡単に考えたわけではありません。まず、データから考えると、水温センサ信号より、今の温度が90℃近いのに、ISCVのデューティー比が53%と高く、水温50℃程度の制御をしています。ISCVは水温に敏感に反応するはずですので、水温センサの信号に基づいた制御をするはずです。ECUは、水温に合わせた制御をしているのにもかかわらず、アイドリングが目標アイドルにならないのでISCVを開き方向に制御しているのだと思われます。ではなぜ目標アイドルにならないかと考えると、ISCVの汚れしか考えられません。

 

33.「エンジン警告灯は点灯していないが、エンジンが始動しない。」という自動車について、図をもとに、外部診断器を使用してフューエル・ポンプを強制駆動し、アクティブ・テストを行った。このときの表の診断結果のイとロにあてはまる語句として、下の組み合わせのうち適切なものはどれか。なお、図に示すV5からV10は、それぞれの端子とボデー間の電圧である。

すいませんV5とかみにくいですね。

    イ                       ロ
(1)エンジンECUの不良           端子Aと端子D間の配線不良
(2)フューエル・ポンプ・リレーの不良   端子Gと端子I間の配線の不良
(3)端子Gと端子Iの配線の不良    フューエル・ポンプ・リレーの不良
(4)フューエル・ポンプ・リレーの不良   エンジンECUの不良

答(2)
Vの後の数字が見にくいので申し訳ありませんが、まず、イの結果から考えられることは、V5に12Vが来ているのにV6が0Vで、V7に12V、V8が0Vということは、リレーの電源系は来ているのに(作用しているのに)接点が閉じていない、あるいは、接点を閉じるための磁力を発揮できない、ということで、フューエル・ポンプ・リレーの不良といえる。次にロの結果から考えられることは、イと違い、V8に電圧がでていると言うことは、アース回路の不良が考えられる。たどっていくと、V10の電圧が0VということはECUではなく、V8とV10間の不良と考えられる。

 

34.「エンジンがかからない。」という不具合がある自動車を点検したとき、ダイアグノーシス・コードで「イグナイタ系統」を異常系統として表示した。このため、不具合を再現させて点検を行ったところ、次のような状態であった。
・点火確認信号・・・出力無し
・信号線の断線・絶縁点検(ボデーとの短絡点検)・・・正常
・イグナイタ及びイグニション・コイルの電源電圧・・・正常
このときイグニション・スイッチをONにして点検を行った後の判断に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

(1)コネクタAの端子Cとボデー間の電圧V4(以下「電圧V4」という。)が5Vの場合、イグナイタ及びイグニション・コイルの不良
(2)電圧V4が5Vの場合、エンジンECUの不良。(5Vでているのだから、不良とはいえない)
(3)電圧V4が0Vで、コネクタBを外すと5Vに変化した場合、エンジンECUの不良。(コネクタBを外すと5Vということは、信号線の断線・ショートはないのだから、コネクタBより右側のどこかでアースに落ちてしまっていると言うこと)
(4)電圧V4が0Vで、コネクタBを外しても0Vのままの場合、イグナイタ及びイグニション・コイルの不良。(両方とも0Vの場合はエンジンECUの不良)

答(1)
これは(1)がよさげなのですが、間違いなく(1)かといわれたら、自信がない。点火確認信号の出力がないのだから、V4が0Vにならない、ということ。で、何が悪くてならないのかと言えば、一番考えられるのが点火確認信号発生回路の不具合。だから(1)が正解。でも、またまた意地悪く考えると、アース不良も考えられる(赤丸のところ。しかし、そうなるとダイアグでイグナイタ系が出るかどうか分かりませんが・・・)。現場の人間としては、イグナイタ及びイグニション・コイルの不良として部品交換するより、アース不良としてアースのし直しをした方がお客さんに喜ばれますから・・・。しかしながら、(2)(3)(4)とも、間違っているのは間違いないので、やはり(1)が正解なのだろう。しかし、図の点火確認信号に「←」が書いてあるが、この書き方だと、イグナイタから信号が出ているように思われるが、実はECUから5Vを掛けていてTr2でアースに落としているだけである。電気的な流れからすると「→」なのに・・・。これで勘違いした人もいるかも・・・。

 

35.電子制御式4速ATのリバース・クラッチが固着した場合に発生する不具合現象として、適切なものは次のうちどれか。

(1)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジでは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると3速で発進する。
(2)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジでは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると内部ロックでエンジンが停止する。
(3)Nレンジは車が動くことなく正常である。Rレンジでは正常に車両が動く。N→Dレンジにシフトすると1速で発進する。
(4)エンジンを始動するとAT内部が一体で回転し3速で走り始めるが4速への変速点になると内部ロックにより急ブレーキが掛かる。

答(1)
訳が分からず(2)としましたが、後でよく考えてみると、いくらミッシヨン内でロックしてもコンバーターで回転するのでエンジンが止まることはないですね。プラネタリギヤの問題はややこしくてよく分かりません。

 

36.図のEPSの「モード・スイッチ」回路の故障診断に関する記述として、適切なものは次のう ちどれか。なお、表に示すV4からV6及びV9は表のとおりである。

(1)−(軽めモード)のとき、V4に電圧があり、V9に電圧がない場合は、モード・スイッチのアース線の断線である。(この場合はモードスイッチ内部で短絡事象が発生している。アース線が断線している場合はV9に電圧がある。)
(2)●(標準モード)のとき、V5に電圧がなく、コネクタAを外したときV5に電圧がある場合は、EPS・ECUの不良である。(コネクタAを外して電圧が復帰するのだから、コネクタAより左に不具合がある)
(3)●(標準モード)のとき、V5に電圧がなく、コネクタAを外してもV5に電圧がなく、さらにコネクタBを外してV6に電圧がない場合は、EPS・ECUの不良である。(正解)
(4)+(重めモード)のとき、V9に電圧がある場合は、モード・スイッチが故障している。(この場合は、V9からアースまでの間の断線)

答(3)

 

37.6気筒ガソリン・エンジン搭載の後輪駆動車(FR式)を表の条件で走行したとき、90〜105Hzの間でビート音が発生した。この場合の不具合要因に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。

車速 80Km/h
トランスミッションの変速比 0.7(4速ロックアップON)
最終減速比 4.0
タイヤの有効半径 0.3m
電動ファンの回転速度 2700min-1

(1)「プロペラ・シャフトのアンバランス」と「エンジンのトルク変動」
(2)「電動ファンのアンバランス」と「エンジンのトルク変動」
(3)「電動ファンのアンバランス」と「プロペラ・シャフトのユニバーサル・ジョイントの位相ずれ」
(4)「プロペラ・シャフトのユニバーサル・ジョイントの位相ずれ」と「エンジントルク変動」

答(4)としました
これはまたまた悩んだ問題ですが、まず、表の車速とタイヤ半径、変速比、減速比からこのエンジンが何回転しているか、プロペラシャフトが何回転しているのかを求めます。(80×1000×4)/(2×π×0.3×60)からプロペラシャフトは1分間に約2830回転しています。エンジンは2830×0.7で1981回転。
プロペラシャフトのアンバランスだと、(2830/60)×1ですから47.1Hz。
位相ずれなら(2830/60)×2で94.3Hz。
電動ファンのアンバランスだと2700/60で45Hz。
エンジントルク変動は(1981/60)×3で99Hz。
こもり音が出るのは周波数が2〜4Hzの差があるものだから、位相ずれとエンジントルク変動にしました。

 

38.電子制御式4速ATのフェイルセーフ制御に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)スロットル・ポジション・センサーに断線が発生すると、スロットル・バルブ・スイッチのアイドル接点とフル接点のON・OFFの組み合わせによりスロットル開度を検知し、走行できるように制御しているものがある。
(2)ライン・プレッシャ・ソレノイドに断線が発生すると、AT・ECUはソレノイドをOFFにするため、ライン・プレッシャは最大に制御され、1から4速まで変速するがセレクト・ショック及び変速ショックが大きくなる。
(3)オーバーラン・クラッチ・ソレノイドに断線が発生すると、AT・ECUはソレノイドをOFFにするため、オーバーラン・クラッチを解放する。(締結する)
(4)ロックアップ・ソレノイドに異常が発生すると、AT・ECUはソレノイドをOFFにするため、ロックアップを禁止する。

答(3)
普通OFFにしたら解放のような気がしますが、この場合は締結します。教科書で確認するまでは心配でしたが、これで正解でした。ちなみに、いつも締結していると、いつもエンジンブレーキが利きます(D1、21はのぞく)。

 

39.警告灯が点灯し、吸気温センサ系統の異常を示すダイアグノーシス・コードを表示したので外部診断機を使用して図及び表をもとに故障診断を行った。このときの診断結果として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)外部診断機に表示された吸気温度が「140℃」で、コネクタAを外したとき、吸気温度表示が「−40℃」に変化したので、吸気温センサの短絡である。
(2)外部診断機に表示された吸気温度が「140℃」で、コネクタAを外したとき、吸気温度表示が変化せず、コネクタBを外したとき、吸気温度表示が「−40℃」に変化したので、端子Aと端子D間の信号線の短絡である。
(3)外部診断機に表示された吸気温度が「−40℃」で、コネクタAを外し、端子Aと端子Cを短絡させた場合、吸気温度表示が「140℃」に変化したので、端子A及び端子CからエンジンECUまでは正常であり、コネクタAの接続不良を含め吸気温センサ側に断線がある。
(4)外部診断機に表示された吸気温度が「−40℃」で、コネクタAを外し、端子Aと端子Cを短絡させた場合、吸気温度表示が変化せず、端子Dと端子Fを短絡させたとき、吸気温度表示が「140℃」に変化したので、エンジンECU側は正常であり、吸気温センサに断線がある。(端子Dと端子Fを短絡したときに理屈通りの反応をしたので、ECUは正常なのは間違いないのですが、吸気温センサに断線がある、とは言い切れない。D−AまたはF−C間の断線も考えられる。と、言うか、端子Aと端子Cを短絡させた場合に変化しなかったのだから、信号線かアース線の断線がまず第一に考えられる。)

答(4)

 

40.図の駆動回路のアクチュエータの故障診断に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)アクチュエータが駆動しているとき、エンジンECUの駆動端子@とボデー間の電圧V1及びアクチュエータのエンジンECU側の端子Aとボデー間の電圧V2を測定し、電圧が異なる場合は@、A端子間に異常がある。
(2)アクチュエータの両端の電圧V4を測定したとき、駆動電圧が不足している場合はエンジンECU内部の駆動回路からアクチュエータをとおりボデーアースまでの間に異常がある。
(3)アクチュエータの駆動時にアクチュエータのボデー側端子Bとボデー間の電圧V3を測定して、電圧があればアクチュエータ本体に異常がある。(アクチュエータに駆動命令が出ているのにV3に電圧がある場合はアース不良。)
(4)図のコネクタを外し、エンジンECUの駆動端子@とボデー間の電圧V1を測定したとき、電圧がない場合はエンジンECU本体に異常がある。

答(3)

 

41.「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(フロン回収・破壊法)に規定している第二種特定製品として、適切なのは次のうちどれか。

(1)バスの客室用エアコン
(2)ブルドーザーの運転席部分のエアコン
(3)冷凍冷蔵車の荷室専用エアコン
(4)キャンピング・トレーラー用の室内エアコン

答(1)
これは間違ってしまいました。第二種は自動車に係る人的用ということですが、じゃあ、バスの客室用エアコンとブルドーザーの運転席部分ではどちらが乗用車のエアコンに近いかと考えたところ、ブルドーザーの運転席部分の方がより近いと思ってしまいました。キャンピング・トレーラー用の室内エアコンもバスに似た感じだったのでもうブルドーザーしかないと思いました。後で教科書を読み返しても出てませんでしたので、ネットで調べたら、特種自動車は第二種には入らないとのこと。習ってないよ〜!

 

42.整備作業を安全に行うための注意事項として、適切なものは次のうちどれか。

(1)電気ドリルで部品に穴あけ作業をするときは、ドリルから手のケガを防ぐために必ず手袋を着用する。(手袋は着用してはならない)
(2)グラインダの「と石」の取り替えは、指名された者(特別教育修了者)の指示がある場合以外は行っては行けない。(確か、指示かあっても指名された者以外は交換できなかったはず。ごめんなさい確認怠りました。)
(3)バッテリを充電しているときは、水素ガスと酸素ガスが発生するので、バッテリ・キャップを閉め、タバコ等の火気を近づけない。(開けですよね。常識です。)
(4)ガレージ・ジャッキで自動車をジャッキ・アップするときは輪止めを適切に使用し、また、ジャッキを移動させない。(正解)

答(4)

 

43.「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(自動車NOx・PM法)に基づく排出ガス規制に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)規制対象物質である粒子状物質は、高濃度で肺や気管などに沈着して呼吸器に悪い影響を与えるほか、発ガン性のおそれが指摘されている。
(2)自動車NOx・PM法による排出ガス規制の対象となる車両は、ディーゼル車に限られる。
(3)自動車NOx・PM法による排出ガス規制の対象となる地域は、首都圏、愛知・三重圏及び大阪・兵庫圏である。
(4)DPFまたは酸化触媒を車両に装着することにより、粒子状物質の排出量を低減することができるが、窒素酸化物の排出量を低減することはできない。

答(2)
私はあやしそうな(4)にしてしまいました。教科書には出てませんでしたがネットで調べたらガソリン車も対象になってました。

 

44.危険物、有害物の取扱に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)ブレーキ・フルードやグリスの保管場所は冷暗所で、蒸気が外部に漏れないような密閉された場所に保管しなければならない。
(2)バッテリの電解液に使われている希硫酸は、皮膚に触れると火傷と同じような炎症を起こすので、皮膚についた場合は大量の水ですぐに流す。
(3)塗装作業や洗浄作業に使われるシンナーやベンゼンの蒸気を吸いつづけると中枢神経に作用して頭痛などを起こすため、使用しないときは容器のふたを閉める。
(4)エアコンに使用している高圧フロンガスが体に触れると凍傷になるおそれがあるので、作業にあたってはゴム手袋などを着用する。

答(1)だと思います。
これも悩ましい。教科書にも載ってなくて、ネットでも分かりませんでした。ブレーキ・フルードやグリスが蒸発するか怪しいし、密閉された場所に保管する必要はないように思います。でも、(4)も怪しい。確かに凍傷になるおそれはありますが、大気に放出してはいけないガスなので、わざわざ手袋の着用を定義づけるのもおかしい。怪しすぎます。でもこの問題が間違っていたら責任点に届かなかったので、たぶん合っていたのでしょう。

 

45.リフト作業を安全に行うための説明として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)自動車をリフトにのせて上昇させるときは、自動車の重心とリフトの中心が一致するようにする。
(2)自動車をリフトにのせて上昇させるときは、リフトを少し上昇させた後いったん停止させ、自動車が安定していることを確認してから、再び上昇させる。
(3)自動車をリフトで上げたまま休憩で作業を中断するときは、リフトの電源がOFFとなっていることを確認する。
(4)自動車をリフトにのせて作業を行うときは、リフトを最高位まで上げない。

答(3)?
これもどこを見ても回答がありません。普段使っている者としての考えとしては、(3)が一番おかしい。(2)は間違いなく正しく、(1)も正しいと思います。(4)がどうかなと思いますが、うちのリフトを設置していった業者は、最高位まで上げると油圧がかかりすぎるから、少しおろして下さい、と言っていたので・・・。

 

46.「道路運送車両法」に照らし、「道路運送車両の保安基準」に不適合となるような改造を行った自動車に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)地方運輸局長が当該自動車の使用者に整備命令を指示したときは、当該自動車の使用者に対し、当該自動車の使用の方法又は経路の制限について指示することができる。
(2)当該自動車が整備命令を受けているときは、当該自動車の前面の見やすい箇所に整備命令標章がはり付けられていなければならない。
(3)当該自動車が整備命令を受けているときは、当該自動車の使用者は当該命令を受けた日から30日以内に地方運輸局長に対し、保安基準に適合させた当該自動車及び当該自動車に係る自動車検査証を提示しなければならない。(15日以内)
(4)当該自動車が整備命令を受けているにもかかわらず、当該自動車はの使用者が当該命令に従わないときは、地方運輸局長が6月以内の期間を定めて、当該自動車の使用を停止させることができる。

答(3)
法規に15日以内と書いてありましたので、間違いないと思います。

 

47.「道路運送車両法」及び「自動車点検基準」に照らし、次の文章の( )にあてはまる語句として、下の組み合わせのいち適切なものは次のうちどれか。

 乗車定員5人の貨物の運送の用に供する自家用小型自動車は、(イ)ごとに点検しなければならない。また、この自動車を貸渡しで使用する特種の用途に供する自家用自動車として乗車定員2人の広告宣伝用自動車に改造した。このとき、当該自動車は、(ロ)ごとに点検しなければならない。

    イ    ロ
(1) 3月   3月
(2) 3月   6月
(3) 6月   3月
(4) 6月   6月

答(3)と思います。
まず、貨物の自家用は6ヶ月ごとに点検するのは間違いないところです。で、次の場合は、まず、レンタカーになって、特種自動車になって、でも自家用自動車で、広告宣伝用自動車である、ということですので、ここで3月ごとの点検対象に引っかかりそうなのが「貨物運送用の普通・小型自動車のレンタカー」という部分だけです。貨物運送用ではないので、3月ごとではなくなります。でも、じゃあ6月ごとかというと、これまた、自動車区分の表からすると、「車両重量8トン未満の特種用途の自家用普通・小型自動車」としか書いてないので、ここで言うレンタカーにはあたりません。「乗車定員10人以下の乗用の普通・小型・軽自動車のレンタカー」は6月ごとですが、ここでは乗用ではありません。よって、どちらでもないことになり、じゃあどっちよ!と言うところで考えると(3)が正解かなと思ったのでした。とにかく法律はややこしすぎます。3月ごとの点検対象車両の規定を見てみると、道路運送法施行規則第52条の規定により受けた許可に係る自家用自動車として、広告宣伝用自動車が入っています。ここで言う52条を探しましたが、見つかりませんでした。が、かすかな記憶として、レンタカーのことを言っていたと思います。そうだとすると、正解かなと思います。

 

48.「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし、平成14年12月に製作された専ら乗用の用に供する乗車定員7人の普通自動車の近接排気騒音に関する次の文章の( )にあてはまる語句として、下の組み合わせのうち適切なものは次のうちどれか。

 車両の前部に原動機を有するものの近接排気騒音の大きさは、(イ)dB以下でなければならない。また、車両の後部に原動機を有するものの近接排気騒音の大きさは、(ロ)dB以下でなければならない。

    イ   ロ
(1)100  103
(2)100  100
(3) 96  103
(4) 96  100

答(4)
私は(3)にしてしまいました。そんなん覚えているかい!検査員を取ったのが平成8年ですから、排気騒音の基準も変わっています。かすかな記憶で(3)と答えました。

 

49.「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし、座席ベルトに関する次の文章の( )にあてはまる語句として、下の組み合わせのうち、適切なものはどれか。

 平成14年12月に製作された専ら乗用の用に供する乗車定員7人の普通自動車の運転席その他の自動車の側面に隣接する座席にあって前向きのものには、(イ)を備えなければならない。また、これら以外の座席には、(ロ)を備えなければならない。

             イ                       ロ
(1)第一種座席ベルト又は第二種座席ベルト     第二種座席ベルト
(2)第一種座席ベルト又は第二種座席ベルト     第一種座席ベルト又は第二種座席ベルト
(3)第二種座席ベルト                   第二種座席ベルト
(4)第二種座席ベルト                   第一種座席ベルト又は第二種座席ベルト 

答(4)
第一種とは、腰だけを押さえるやつ、第二種は肩から押さえるやつ(普通の運転席についているもの)を言います。ということは、イは間違いなく第二種で、それ以外の座席にはどっちでも良かったはず。で(4)にしました。

 

50.「道路運送車両の保安基準」及び「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」に照らし、使用の過程にある自動車の前照灯に関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

(1)カットオフを有するすれ違い用前照灯の光度は、エルボー点の位置で測定すること。
(2)平成10年9月1日以降に製作された自動車でカットオフを有しないすれ違い用前照灯の光度は、1灯につき6,400cd以上であること。
(3)前照灯照射方向調整装置は、前照灯の照射方向を左右に調整することができないものであること。
(4)曲線道路用配光可変型走行用前照灯の照射光線は、直進姿勢において自動車の進行方向を正射するものであること。

答(1)
エルボー点のちょっと下らしい。未だに走行用前照灯で測定してますので、エルボー点とかよく知りません。(2)と答えてしまいました。

 

以上です。私の考えていることと試験官がねらった部分が違っているかもしれませんが、今のところ、こんな回答・解説となりました。また自動車工学やどこかの振興会が回答・解説を載せるかもしれません。そのときに見直してみたいと思います。

とにかく、合格して良かった。こんな難しく、範囲が広い試験はこりごりです。あとは16年1月11日の口述試験に向けて頑張ろうと思います。でも新潟市は遠い〜!!

平成15年12月27日

 

口述試験

 平成16年1月11日(日)新潟県新潟市で口述試験を受けてきました。滑川市からは260Km程ありまして、高速でも3時間かかります。ましてや天気予報では雪マークが丁度10日、11日と付いていて、遅刻が怖かったので10日に出て、1泊して臨みました。
12時に受付をして、試験の注意事項を見た途端、昨年の口述試験の形式とは若干違っていたのでどきっとしました。各問題の後又は途中に試験官から質問があるという形で、何を聞かれるか不安でした。以下に問題と私が答えたものを記憶を頼りに書いてみます。
 昨年と違っているところは、ストップウオッチは使用しないで下さいと言われました。また、問診用紙に問診結果は記入しなくてもよい(問診用紙は受験番号、氏名、実技試験を受ける意志があるかどうか、を確認したいだけだそうです。採点対象にはなりません、とはっきりと言われました)とのこと。雑誌に載っていた昨年の内容からすると、違う点はこのくらいでしょうか・・・。
 試験順番は、ラッキーなことに1番目でした。帰りのことを考えると早い方が良いと思ってましたので・・・。石川県の人で最期の方だったら帰ったら一体何時になったでしょう?午後からの受験者数は24名、富山県からは13名だそうです。2コースに別れ、1人20分ずつ。10分思考室、10分口述試験室、と言うパターンです。思考室では2コース同一の部屋でしたので、口に出して練習することはできませんでした。まあ、毎年少しずつ形式が変わると思った方が良いでしょうね。新潟の支局の人(と思います)も初めての人が多かったせいか、ストップウオッチは使っても良いよ、とか、1問5分で打ち切り、いやいや自分で配分してもよい・・・・とか、言うことがまちまちでした。試験前の説明が全てでしょう。休憩室での会話はあまりアテにならないでしょう。

 

問題1.下図は「整備対応手順の流れ」を示したものです。下記の情報をもとに「問診」を実施しなさい。また、問診の結果について試験官が質問するので口頭で回答しなさい。

図は省略します。

【情報】

 整備依頼者サウト氏が、「高速道路を走行中に、自動車に震えを感じるようになった。」という不具合に係る修理を依頼するために、当該自動車に乗って整備工場を訪れた。
 これまでに得た情報は、次のとおりである。
 1.サトウ氏は、当該自動車を通勤に使用している。
 2.当該自動車に関する情報
   初年度登録年    平成9年
   エンジン        電子制御式ガソリン・エンジン
   総排気量       1,498cc
   駆動方式       前輪駆動(FF)
   トランスミッション   マニュアル・トランスミッション
   総走行距離      63,000Km

 

私の回答 「」は試験官の答えです。
@最初の挨拶
A現象の確認 「自動車に震え」
Bいつ頃からか 「3週間ほど前から」
C時間によって現象が違うか 「関係ない」
D一般道でも出るか 「でない」
E高速走行中と言うことだが、それは加速中に出るか、定速走行時か、減速時か 「定速走行」
F毎回振動が出ますか 「はい。100Km/hででます」 ←質問の意図と回答が食い違っているような気がしますが、100Km/hという部分を聞けなかったのでおまけで答えてくれたようです
G天候によって違いはあるか 「ない」
H私が試運転しても出ると思われるか 「出ると思います」
 以上について丁寧な言葉で質問しました。今回の試験では問診票には何も書かなくても良いと言うことでしたので、書く時間が省けて3分程度で終わりました。その後の試験官からの質問は「この現象は何が原因だと思われますか」というものでした。びっくり!!これだけの話を聞いただけで診断までしろというのか!?事前の説明では「質問はすぐにでも答えられるような簡単な物です」と言っていたクセに・・・。
 上記の質問だけでは足りないので、「その震えとは、ハンドルですか、それとも車体全体ですか?」と聞いたら、ハンドルだと答えられました(本来なら問診の時に聞くべき内容でしたね。減点1と言うところでしょうか?でも結果的には問い1の間に聞いたのだから良いのかな?)。まあ、それなら、ほぼホイールバランスの狂いだろうと思い、その点について説明しながらホイールバランスの狂いだと思います、と言ったら、その他に原因が考えられますか?と聞かれました。その時点で頭真っ白。その他の原因が出てきませんでした。苦し紛れにラックに故障があったらなるかも知れません・・・なんて答えておきました。

昨日講習があって私と同じく検定に受かった高原さんと話をしていたら、どうもハンドルのぶれの原因が溝に落としたせいだと言うことが分かりました。それでしつこく他に原因がないか聞いてきたのですね。溝に落としたためにタイロットでも曲がったという設定でしょうか?ロアアームの曲がりで振動が来るとも思えませんし・・・。まあとにかく、−1は確実と言うことで・・・。

個人的に採点すると、−2でしょうか・・・。

 

問題2.下図は「整備対応手順の流れ」を示したものです。下記の情報をもとに「整備内容説明」を実施しなさい。また、試験員が「整備内容説明」の途中で質問をする場合があるので、その質問に答えなさい。なお、試験の都合上、点検整備記録簿に記載された点検良好の箇所、整備保障の適用及び整備料金の説明は行わなくてよい。

図は省略します

【情報】

 整備依頼者スズキ氏から、整備工場に「オート・エア・コンディショナの風音が大きく、風量調整ができない。」という不具合に係る修理に加え、継続検査後1年目の定期点検整備及び日常点検整備を行うようにとの依頼があり、必要な点検整備作業を行った。
 これまでに得た情報得た情報及びこれまでに行った点検整備作業は、次のとおりである。

 1.当該自動車に関する情報
   初年度登録      平成10年
   エンジン        電子制御式ガソリン・エンジン
   総排気量       2,497cc
   駆動方式       後輪駆動(FR)
   トランスミッション   オートマティック・トランスミッション
   タイヤの標準空気圧 前輪、後輪共に200kPa

 2.点検整備作業
   @定期点検整備及び日常点検整備(作業内容は、用意されている点検整備記録簿のとおり)
   Aオート・エア・コンディショナのパワー・トランジスタを取り外して点検した結果、内部で短絡していたので、当該部品を交換。

 注:なお、部品等の交換については、全てスズキ氏に連絡し了解を得てから行った。

その他、資料としてパワー・トランジスタの写真1枚、オート・エア・コンディショナの回路図1枚(概念図とでも言いましょうか・・・)、定期点検記録簿1枚がありました。点検記録簿によると、タイヤの空気圧の調整、エンジンオイルの交換(4L)、パワー・トランジスタの交換(1個)、ロングライフクーラントの交換(2L)が記録されており、その他は良好。タイヤ溝残やパット残は省略となっていました。残について説明が要らなかったので結構時間的に楽でした。

 

私の答え
@挨拶
A不具合について写真を見せ、回路図をもとに、なぜパワー・トランジスタが短絡すると風量調整ができなくなるか説明。パワー・トランジスタにかかる電圧の大小でモーターに流れる電流が変わり、風量調整を行っていると説明。あまり専門用語を使っても駄目だと思い、すこし濁してしまった感があります。
B点検について説明。エンジンオイルとロングライフクーラントの役割と定期的に交換しなければならないことを説明。タイヤの空気圧を調整したことを説明(圧が低いとタイヤが偏摩耗しますので、とか)。
C一気に全部説明して(言葉尻を切らさず言ったので・・・)しまったので、試験管から改めて質問がありました。その内容は「エンジンオイルの役割について」と「ロングライフクーラントの役割3点について」でした。さっき説明しただろ!!と思いながらも、もう一度、もうちょっと詳しく説明しました。が、ロングライフクーラントの3点について、明確に1つ目はこれで、2つ目は、3つ目は・・・とは説明できなかったので、ちょっと心配ですが、話の流れの中で防錆、沸点の低下、氷点の低下については全て触れました。大丈夫だろうと思ってます。

それでも自己採点はうっかりもありそうなので、−2。合計ぎりぎりの16点を取ったのではないかと思ってます。まあ、合格発表まで2週間程度かかると言われましたので、それまでは受かったものと考えておかないと・・・気持ちが持たない・・・。

通知が来たらまた更新します。

平成16年1月12日

 

1月19日午前。整備振興会から電話があり、口述試験の合格を告げられました。ほっと一息。後は21日の修了試験に合格すれば2月4日の終了式を経て国に申請すれば資格がいただけます。長い道のりでしたが、何とか1級を取ることができました(修了試験に落ちたりして・・・汗)。たぶん滑川市では初めての1級整備士になるのではないかと思います。

平成16年1月20日

 

1月21日。修了試験も無事合格しました。自信の無かった実技試験では結構記憶がよみがえってきて、結局は1問不正解の98点。筆記試験でも94点と、まずまずの点数でした。これでもう試験はありません。2月4日の終了式を経て、晴れて1級整備士となれます。まあ、国土交通省に申請してから数週間はかかるかとは思いますが・・・。ほんとに長い道のりでした。

平成16年1月22日

 

 本日平成16年2月4日、無事終了式を終えました。国に申請する書類を提出し、後は証書を待つだけです。3月10日に国土交通省大臣石原さんから証書が届く予定です。早く証書が欲しいですね。今後は日整連の試験問題(中間1(エンジン編)、中間2(シャシ編)、修了試験)をアップしようと思います(業界の一番忙しい時期ですので、4月以降になると思いますが・・・)。
 2級ディーゼルの時には優秀者賞状を貰いましたが、今回は富山トヨタの安宅さんに持って行かれました。まあ、トータル成績が3位だったので賞状には遠かったですが、もうすこし模擬試験で点数を取っていたらと思うと悔しいです。
 8月に指導員の試験を受けることになりました。これに受かれば講習の講師となることが出来ます。仕事の段取りと相談しながらになると思いますが、物事を人に教えることを一度はやってみたいと思ってましたので、いまから楽しみです。

平成16年2月4日

 

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